『大地の子』山崎豊子
ここ数日でいっきに読み切った。最近は小説を読み始めても最後まで続かなかったのですが、久々に長編小説を読み切りました。
『大地の子』を読んだのは今回が2回目で、1回目とはかなり違った印象を受けました。
初めて読んだのは中国留学前で、中国が大好きで半ばユートピアくらいに思っていた頃。そんなときに中国の政治闘争やらの描写を読んで初めて「中国行きたくない…」と思ったのでした。
今回目に付いたのは戦前生まれの日本人の中国への罪悪感。ここまで罪悪感を持つことないだろうと思ってしまった。中国へ弱腰だなと感じる一方、それがなきゃ何もかも始まらない。互いに策略を立て相手に向かう姿は今日の我々と変わらないなと感じるとともに、そんな小説を書き上げた山崎氏の力に感動しました。
長春や北京、上海、三峡に実際足を運んだ後、再度読み返し、そこでの思い出もよみがえりました。三峡ダムができてしまい、以前の三峡下りとは様子がかなり変わったと思う。あの大河、谷間、沿岸の町それらは日本ではみられぬ光景でこんな陸の中でも人々は暮らしているんだと胸を打たれた感覚を思い出しました。
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