『本当の中国を知っていますか?』 山本 秀也
- 作者: 山本秀也
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2004/03/30
- メディア: 単行本
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多少興味がなくても、読まなくちゃなと思い、全部読んでみました。政治、経済、司法のことは全くわかりませんので、言われたまま信じてしまっている、どうしようもない文学部生。政治なんて知らないよというのは何だか勿体ない。と思う今日この頃。梁漱溟という哲学者がやや気になる。
はた迷惑な話と言えば身も蓋もないが、上海などで保護動物を食べて処刑された人間からその動機を警察で聴取したところ、「好奇心」「体によさそうだったから」といった回答を抜いて、「自分の地位や力を誇示したかった」というものが一番だったという。 (本書p.114)
自分の力を示したいというのは誰もが持っている思いだと思う。それをどういう形で示すかあるいはその思いを我慢するかで変わるのでしょうが、希少価値の高い物を食べれば子どもだって「すごさ」がわかると思う。誰もがわかる、わかりやすい形で表したい。誰にでもすごい人と思われたい!そんな思いをいつもお持ちなのでしょうか。ある意味ピュアな人たちだなと思う。
信号に従って横断歩道を渡る分には、法治国家では100%の保護が歩行者に与えられる。罰則を思い浮かべるまでもなく、運転する側もその道理は先刻承知だ。
ルールより権威が力を持つ社会では、法の原則を論じるより、その場の権威者にあたる車に敬意を払うことが、ケガを避ける現実的な身の施し方だ。従順に見える歩行者だが、数を頼んで寸刻みに交差点を埋める無言の力、巡査さえいなければ赤信号を平気で無視する度胸と、いつか車を乗り回す「野望」を胸に秘めていることを忘れてはならない。 (本書p.261)
そして最後に
…自分が中国で何をしたいのか、目的を明確に定めて関わるということではないだろうか。この小宇宙で何が起きているのかは、外国人にはむろん、おそらくそこに暮らす中国人ですら全容を知ることはできないのだ。 (本書p.265)
中国にかかわる勉強をしていてその通りだなと思う。はじめは漢文で今は中国人の日本語習得の早さや文革も興味があるし、農村の生活、そしてもちろん思想。入口はほんのささいなことだったけれど、中に入ってみて広がりに驚く。それほど魅力的であるが故にその魅力に踊らされている。私にとって中国は魅力にあふれたもの。どうしてと言われても「中国だから」としか答えられない。 このまま中国に行くことはとても危険。あと半年、自分なりの軸を定めて魅惑の地に旅立とうと思う。